Ⅳ-4.ミュンヘン② Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 51 ( 1. 欧州有数の育成型クラブ (1)健全経営クラブの次の一手 欧州で最も優れた育成型クラブの1つ、FCバイエルン・ミュンヘン。多くの選手やコーチを育成・養成し、輩出してきた人気のクラブである一方で、多額の借金を許さないブンデスリーガにおいて、多くのスター選手を獲得しトップクラブであり続けるその経営手法は、サッカー界だけでなく、ビジネス界からも一目を置かれている。 近年の高騰する移籍金や高額年俸に対抗するために、FCバイエルン・ミュンヘンが出した答えは、下部組織への設備投資である。トップチームのトレーニング施設の4倍の規模となるアカデミー専用施設「FCバイエルン・キャンパス」を整備し、ユースからより多くの選手をプロチーム入りさせることにより注力する方法を選んだ。 2.新育成拠点『FCバイエルン・キャンパス』 (1)立地 ミュンヘン市北部に位置し、周辺は自然保護区域に囲まれた自然環境豊かな地域だ。そして何よりも、FCバイエルン・ミュンヘンのホームスタジアム、アリアンツ・アレナから西へ約3kmと、トップチームを目と鼻の先で感じられる立地でもあり、常にトップを意識しながらトレーニングに取り組める環境でもある。 (2)施設概要 広大な敷地(約30ha)をミュンヘン市よりFCバイエルン・ミュンヘンが購入し、U9~U19の男女ユース用サッカーグラウンドの他、バスケットボールやハンドボールチームのための体育館、バイエルンU17、U19の試合会場となるスタジアム(2,500人収容)などの練習環境が整備されている。 また、アカデミー施設内には、監督やコーチのオフィスや、遠方在住の若手選手のための選手寮(35室)も併設されている。 Ⅳ.ドイツ 4.FCバイエルン・キャンパス(FCバイエルン・ミュンヘン) 2017年11月1日訪問 下村 利男/高見 恒祐((一社)セレッソ大阪スポーツクラブ) FCバイエルン・キャンパス 所在地 Ingolstädter Str. 272, 80939 München 敷地 約30ha 整備期間 2015年10月~2017年7月 完成時期 2017年8月 コスト 約€7,000万(全体整備費) (約94億450万円) 出資 FCバイエルン・ミュンヘン、アリアンツ 施設 クラブハウス ユースアカデミー(オフィス、飲食、 医療、選手寮35室等) トレーニングセンター 体育館(3面コート) スタジアム(2,500人収容) グラウンド (8面、内人工芝2面)等
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