Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅳ-2.レーゲンスブルク Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 38 (2)1907年に発足した歴史あるクラブ コンチネンタル・アレナをホームスタジアムとするヤーン・レーゲンスブルクは、1907年にTurnerbund Regensburgのフットボール部門として発足した。 2000年以降は、主にレギオナルリーガ(現在の3部)やブンデスリーガ2部に所属している。2016/17シーズンにおいて3部3位となり、2部16位のTSV1860ミュンヘンとの入れ替え戦に勝利し、2017/18シーズンはブンデスリーガ2部に昇格した。 2. コンベンション利用を想定した立地 (1)ヤーン・シュタディオン ヤーン・シュタディオンは、ヤーン・レーゲンスブルクの旧ホームスタジアムである。 1926年9月19日にレーゲンスブルク駅からバスで15分ほど乗車したところにある市街地の住宅地に建設され、数回の拡張を繰り返し、最終的には12,500人収容のスタジアムとなっていた。 しかし、市街地に立地していたため、試合前後での観衆の出入りでスタジアムの周りの市街地が人であふれかえり混雑を招いていたこと、拡張余地が少なくなり、かつ老朽化等でDFL(ドイツサッカーリーグ機構)の求めるスタジアム水準を満たしにくくなっていたことから、ホームスタジアムの移転が議論されるところとなった。 また、レーゲンスブルク市内に駐車場を有するコンベンション施設がなかったことから、スタジアムにはサッカーの試合会場としてだけではなく、コンベンションも開催できる機能を備えさせることとした。 20年間にも及ぶ長い議論を経て、5カ所の移転候補地が検討に上がったが、その中から郊外ながら市街地からそれほどは離れておらず、アウトバーンの出口からも近い、市有地の草原に新スタジアム(コンチネンタル・アレナ)が建設されることに決定した。 ヤーン・レーゲンスブルクのヤーン・シュタディオンでの最後の試合は2015年5月23日に行われ、2017年2月20日より、スタジアムの解体が行われている。跡地には新しいアパートと学校が建設される予定となっている。 (2)コンチネンタル・アレナの完成 2011年7月28日、レーゲンスブルク市議会は新しいスタジアムの整備を決定し、入札を経て、オランダに本拠地を構え、世界各地で施工実績を有する建設会社BAMのグループ会社でデュッセルドルフに本拠地を構えるBAM SPORTS社と2013年7月25日に建設契約を締結した(設計会社はドイツに本拠地を構えるarchitekten ingenieure generalplaner社)。BAM SPORTS社は、本スタジアムのほか、ドイツを中心に、英国、オランダ、アラブ首長国連邦などでもスタジアム・アリーナの施工実績を有している。 スタジアムの正面入口 スタジアム全景模型

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