Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅱ-1.ブダペスト① Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 19 は、個人情報をスタジアムおよびクラブに管理されることについて反対したため、ウルトラスに配慮する形で静脈認証がないカードも作成することになった。 ⑤効率活用 試合開催時に観客の趣向に沿ったチケット種類を提供することや、試合がない日でもスタジアムを利用してもらうことで、スタジアムを効率的に活用することができる。 〈イベント開催〉 サッカーの試合以外にもスタジアムを利用して大小合わせてさまざまなイベントが催されている。 比較的大規模なイベントとしては、コンサートが年2回程度(ピッチを利用するイベントはコンサートのみ)、その他にも文化イベントなどが行われている。また、スタジアムツアーも年間で数多く行われている。 〈席種〉 メインスタンドおよびバックスタンドにある座席€15(2,015円)、ゴール裏の立見席€7 (940円)に加えて、ビジネスラウンジとスカイボックスが完備されている。ビジネスラウンジはスタジアム2階にあり、1,200人収容できる規模のイベントスペースとして年間180回以上のビジネスカンファレンスなどのイベントが開催されている。なお、スタジアム内で調理ができることから、イベントの開催日や規模にかかわらず飲食を伴うイベントを開催することができる。 スカイボックスは34室あり、主に20~50人規模の部屋が多いが、最も大きな部屋で60人が収容できる。なお、平均約1,000万円で年間契約できるとのことである。 ⑥その他 〈座席の工夫〉 座席の色を上段と下段で濃淡付けているのは、上段を濃くすることで空席感を目立たせないようにするためとのことである。 (2)所有と運営 ハンガリー政府が建設資金を100%拠出して完成させたスタジアムであり、所有者はハンガリー政府となっている。 しかし、運営についてはフランスのスポーツ施設運営会社であるLagardère Sportsという民間事業会社が行っている。Lagardère Sportsの業務内容としては、スポーツ施設運営だけでなくマーケティン稼働率の高いビジネスラウンジ 年間契約が可能なスカイボックス 濃淡のあるスタンド

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