Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅱ-1.ブダペスト① Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 16 しかし、2006/07シーズン終了後、財政難を理由として2部リーグに強制降格させられ、1901年のリーグ創設以来常に1部リーグに所属し続けたフェレンツバロシュにとって、初の2部降格となってしまった。その後、3シーズンで1部リーグ復帰を果たしている。 なお、フェレンツバロシュの最大のライバルはスサ・フェレンツ・シュタディオンをホームスタジアムとするウイペストであり、ハンガリーで最も人気のある2チームである。そのため、ファンの関心を多く集めるダービーマッチとなっている。 また、フェレンツバロシュは総合型スポーツクラブでもあり、男女サッカー、男女ハンドボール、男女アイスホッケー、女子ホッケー、水球、バスケットボール、ナインピンズ(ボウリングのような競技)、カーリングなどさまざまなスポーツチームを手掛けている。 2. クラブカラーに包まれた地域のアイコン (1)スタジアム評価 KPMGジャパンは、スタジアムで集客するためには5つの評価軸(地域環境、複合性、快適性、先進性、効率活用)が重要であると考えており、評価軸毎にチェック項目を定めている。以下ではそれらの観点からグルパマ・アレナを調査している。 ①地域環境 スタジアムへのアクセスやインフラが整備されているほどスタジアムを訪れやすくなり、地域と密着しているほど観客の一体感を醸成する。 〈アクセス〉 スタジアムへのアクセスは非常に良好であり、地下鉄のNépliget Metro駅から徒歩1分でスタジアムに到着することができる。また、車でのアクセスも良く、空港からもスタジアムにスムーズにアクセスすることができる立地である。 〈地域密着〉 スタジアムの所有者はハンガリー政府であるにもかかわらず、スタジアム内の各所にクラブのエンブレムが数多く掲げられており、さらには座席がクラブカラーである緑で統一されていることから国や地域とクラブの良好な関係性がうかがえる。 また、スタジアム前のシンボルがスタジアムとクラブを思い浮かべることに一役買っており、スタジアムおよびクラブが地域のアイコンとして溶け込んでいるといえる。 アクセスの良い立地 国立施設であるものの、クラブカラーで統一されている

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